2020.03.04

シロクマ実験から学ぶ「私の事は忘れて」は忘れさせる気が無いって話

「私の事は忘れて・・・」
彼女は悲しそうな笑みを浮かべながら僕に言った。

何とも二次元で使われそうなフレーズだけど、実際にこんな事を好きな人に言われたら忘れられるのか?
否、当分は心に刻まれたままになるだろう。

それは何故なのか?

今まで傍にいた人がいなくなる喪失感や、もっと一緒に過ごしたかった未練が記憶に根強く残るからだろう。

そしてもう一つ、皮肉過程理論と言う心理効果が働くからなのだ。



皮肉過程理論

皮肉過程理論とは何かを考えない様にすると、逆に考えすぎて頭から離れなくなる現象の事。

この現象を経験したことある人は多いのではないだろうか。
・ダイエット中に食べ物の事ばかり考える
・嫌な仕事が頭から離れず休みに集中できない
・ケンカした相手の事が気になる
とかね。

考えない様にしてるって事が考えて証拠とかってどこかで聞いた様なセリフだが、まさにその通りなわけだ。

シロクマ実験

皮肉過程理論の代表的な話にシロクマ実験がある。
アメリカの大学で学生に行われた実験。
学生をA~Cの3グループ分けて、それぞれのグループには以下の指示を与えた上でシロクマについての映像を見せた。
■Aグループ
シロクマの事をしっかり覚えておくこと

■Bグループ
シロクマの事は考えても考えなくてもいい

■Cグループ
シロクマの事は何も考えてはいけない
この実験でシロクマについて一番覚えていたのはどのグループだったか?

正解はCのグループ

この結果は、思考は制限されると反発すると言う心理を示したものとなった。
「考えるな」と言われた事が記憶に残ってしまう、これぞまさに皮肉。

「押すなよ!?絶対に押すなよ!!」みたいなフリが効いてるって事なのだろうか。

「私の事は忘れて」は逆効果

ここからは私が「私の事は忘れて」がいかに自分勝手なフレーズなのかを考えてみる。

まずこのフレーズを使う人はどんな人か?
恐らく家族か恋人等の身近な人だろう。

人は身近な大事な人が突然いなくなると未練や喪失感などのネガティブな感情を持つ。
このネガティブな感情ってのが厄介で、記憶に非常に残りやすい。
これは本能的な話で、人の記憶は不利益な事態を回避する為に、ネガティブな事ほど強く記憶しようとするのだ。

そこに皮肉過程理論まで加わったら、それはもう記憶への定着待った無しとなるわけだ。
もはやこれはプロの仕業とも言える妙技。

ここまでくると「あたいの事キープしたいの・・・?」とも受け取れる程にダイナミックな忘れないでアピールにも思えてくる。

とにかく理由は何であれ去っていく人が「私の事は忘れて」なんて無茶なお願いを言うものじゃない。
なんなら「急に別れようとか言って、何かすんません」くらいの感じで静かに去って行って欲しい。

「私の事は忘れて」のせいで3カ月で立ち直れた所が4カ月に伸びているのかもしれない。
ともあれ、相手を思っての配慮が裏目に出てしまう事態が憎いし怖い。

やはり相手の事を考えるなら、このフレーズは使わない方が無難だろう。

さいごに

現実で「私の事は忘れて」なんて言われた事ない。
パワーワード過ぎてこの先もきっと自分が使う事はないだろう。

もし貴方がこのフレーズを使われたら、この記事を思い出してほしい。
「お、これはやってますねぇ」と笑ってお別れ出来るだろう。

あ、そうそう。
この記事の事は忘れてね、絶対だぞ!